福祉の仕事をする上で第一に重要なのが、相手の気持ちを想像し、寄り添うことだ。福祉には、介護・看護・児童福祉・生活困窮者支援など色々あるが、そのすべてに共通するのが、相手が何かしらの問題や生活が厳しい現状を抱えているということだ。
誰かを頼るというのは、なかなか勇気がいることでもある。一人で悩み抜いてやっとの思いで福祉施設に来られる方も少なくない。そんな相手の話をしっかり聞き、解決に導くことが求められるのだ。
そこでまず絶対にやってはいけいないのが、相手を見下すことだ。福祉の仕事は助ける立場であるが「助けてあげる」という意識を持ってはいけない。その意識は、無意識の言動や行動に現れてしまう。いかなる時も、相手と同じ目線に立ち、一緒に解決していこうとする姿勢が大事なのだ。
次に、相談に乗る際に自身の価値観を押し付けないようにすることも重要だ。「~するべき」「~ねばならない」等の言葉はなるべく使わないようにしよう。あくまで、後押しをするアドバイスとして情報共有するのが大切だ。「相談者を助ける!」という意識が強い完璧主義者の人は、自分の考えを通そうとする傾向にあるため、注意が必要だ。
相談に来られる方の多くが、気持ちが疲弊し弱っており、自信や判断能力を失っている傾向にある。そのため、自分の一言の重さを認識した上で発言する必要があるといえるだろう。
人の数だけ価値観があり、感じ方も違うため、コミュニケーションを完璧にするマニュアルはない。少しでも良好なコミュニケーションを取るなら、相手の表情や言葉のトーンを読み取り、気持ちを想像し、真摯な気持ちで向き合うことを意識しよう。