子どもに関わる福祉の仕事には様々な種類がある。そんな中、特に大きな問題として浮き彫りになっているのが児童虐待ではないだろうか。悲しいことに、児童虐待件数や保護された児童の数に対し、児童養護施設やその職員の数は追いついていないのが現状だ。

虐待に合った子どもたちを保護する児童養護施設の現場では、人手だけでなく、職員の人間的な質も強く求められる。そうした現場では、多くの人にとって想像を絶するほどの大変な体験をしてきた子どもたちがたくさんいる。そのため、単に子どもたちの生活を支援したり、自立への援助を行うだけでなく、子どもたちの心に対する寄り添いが欠かせない。

実際、児童養護施設では、職員一人一人の接し方や言葉が、子どもたちの価値観や人生に影響を与えやすいといえる。学校現場とは異なる困難や問題、対応しなければならない難しい事柄がたくさん起きてくる。それは非常に大変なことだが、一人一人の人生にまっすぐ向き合う職場だからこそ、深いやりがいがあるといえるだろう。

子どもたちは大人から守られる存在であるが故、関わる世界や人の範囲は非常に限られてくる。そのため、児童養護施設に勤務する大人たちは、子どもたちに対し「この世界にはいろんな人がいて、あなたを助けたいと思う人間がちゃんとここにいる」というメッセージを発信することが大切だ。そんな児童養護施設は、子どもたちの成長に深く関わりたい、寄り添いたい、という強い思いがある人であれば、やりがいを持って勤められる職場といえるだろう。